2016年7月22日金曜日

英文字の話(1)Lower-case letters

小文字は大文字より難しい①

Learning lower-case letters is more difficult than learning uppercase letters.

文科省は小学校から英語を導入することにしましたが、今のところ、小学校では文字指導はしないことになっています。とはいえ、国語でローマ字を学習しますので、英語の読み書きはともかく、アルファベットは習得しなければなりません。

ここでいくつか問題が生じます。

一つは、英語の文字と音の関係が、ローマ字の文字と音の関係と異なることです。この点が気になる方には、フォニックスをお勧めします。Yキッズルームではフォニックスも取り扱っておりますので、ぜひお問い合わせください。

さて、もう一つは 、小文字の学習の難しさです。

ローマ字習得の目的の一つは、キーボードをローマ字打ちすることが普通になってきたことにもあるのですが、キーボードには小文字が表記されていません。現実的には小文字の方を多用するにもかかわらず、小文字を目にする機会は多くないのです。

それだけではありません。大文字は横にしたり、逆さにしても、認識できますが、小文字は逆さにすると別の文字になってしまいます。つまり、それだけ似ている文字が多いわけで、このことも、学習者にとっては難しく感じてしまう理由です。



さらに書体(フォント)によって形が違う文字があるというのも、混乱の原因です。


そこで、しばらく、数と計算の話から離れて、小文字の学習のことを考えてみたいと思います。





2016年7月15日金曜日

お母様方へ 子どもの数と計算の話(6)

数える!数える!数える⑤

「◯◯と、◯◯、合わせていくつ?」「全部でいくつ?」
足し算を導く問いかけですが、子どもは、足すのではなく、本当に合わせてから、いくつになっているかを数えようとします。



じつは、子どもは、「数える」から「足す」に発展する間に

「つづけて数える」という行為がおきる必要があります。

この、「つづけて数える」という活動をたっぷりさせてあげることが重要だと考えます。

「ぼく、ミニカーをみっつもってるよ。」
「わたしのミニカーをふたつあげましょう。そしたらいくつになるかな?」
「いち、・・・」
「ちょっと待ってね。◯◯くんは、みっつもっているのよね。そしたらそこからかぞえてみましょうか。」
「みっつ、よっつ、いつつ。いつつになった!」

「ぜんぶで」と問いかけると、子どもは文字通り手のひらで全部にまとめ、それをまた1から数え直します。このとき、最初に持っていた数がわかってるのなら、混ぜないで
その山にひとつひとつ、加えながら数えていくように導いてあげます。



こうすれば、時間的にも早く合計数がわかるので、合理的です。

ただし、やり方がわかったからといって、子どもが納得しているとは限りませんので、納得いくまでいろいろやらせてあげたいものです。

この、納得いくまでの活動は、子どもにとっての実証活動になります。算数の基礎で具体物を使うことの重要性は、発達段階に応じての数に関する感覚を豊かにすることはもちろんですが、自ら納得すれば、次には見通しをもち、筋道を立てことにつながっていくと考えられるからです。

ご家庭では、なかなかお忙しく、子どもの実証活動を見守るのは大変かと思います。
Yキッズルームでは、じっくり子どもの実証活動に付き合います。
こちらをご覧いただき、お問い合わせいただければと存じます。年長児さんに関しましても、今年の12月から、入学準備プログラムを水曜日に開講いたしますので、ご関心のある方はお問い合わせいただければと存じます。

2016年7月8日金曜日

お母様方へ 子どもの数と計算の話(5)

数える!数える!数える④

数えていって、10個になったらそれを並べておくだけでなく、ひとまとめにするというのは、位や単位の感覚を身につけるのに役立ちます。

棒状のものであれば輪ゴムでくくったり、転がるようなものであれば皿状のものにまとめます。これを、10、20、30・・・・と数えるわけです。

算数教材でベーステンというのがあります。10個になったら棒に替えられるようになっています。


これを使って、簡単な遊びもできます。たとえば、
さいころをふって、出た目の数だけ、「1」を表す小さな立方体をもらい、それが10個になったら立方体10個分の棒1本に替えて、最初に3本集めた人の勝ち。
慣れてきたら、10個になったときにしか棒に替えられないなど、ルールをつけていきます。

ここまでは、「10個」と「10」の単位をあらわすもの(ここでは棒)1つが、質・量的に変化していません。

次の段階として、「10個」と「10」の単位をあらわすもの1つの質・量が同じでないものに交換していきます。貨幣の誕生と同じことが行われるわけですので、おもちゃのお金がよいでしょう。

1円玉10個で10円玉が1個。

とはいえ、この理解は、一つの山越えです。発達と経験と周囲の人々の導きによって、いつ理解できるかが異なります。

1円玉90個と10円玉10個、「どっちがほしい?」と聞けば、小さい子どもは1円玉90個をたくさんあると認識して選びます。
まさに「こどもだまし」です。

無理してわからせるのは良くないと言われますが、自らわかるときが早く訪れるようにいろいろ経験させてあげることは大切です。わかるときが早く訪れたということは、そこに人間関係や社会体験があったという意味もあるので大切だと考えます。

来週は、足し算の基になる数え方についてです。

(上記はいくつかの心理学的理論に基づいていますが、ここではその理論名には言及しないことにしています。)

2016年7月1日金曜日

お母様方へ 子どもの数と計算の話(4)

数える!数える!数える ③


私たちのような十進法の言語圏の子どもは、10以上の数を数える時、難なく乗り越えるようです。
11は10と1ですから。「elevenはtenとone」というよりわかりやすいのだと思います。
とはいえ、子どもはまだ、位取りについてはしっかり理解していませんから、「11」を書こうとして、「十一」と書くのと同様に「10」と「1」を並べてが「101」と書いてしまってもなんら不思議はありません。
十の位がわかれば、「11」となるのですが、位の理解は小学校1年で習得することになっています。
それでも「11」が十と一だとわかるのは、カレンダーや時計などで、自然と二桁の数字が目に入っているからでしょう。

さて、10以上のものを数えながら、位の認知の基礎を作っていくことが可能です。
おはじきでも、あずきでもよいのですが、じゃらじゃらっと出して、「いくつあるかな?」と数えてみましょう。

今までの応用で、なんとか子どもなりに合理的に取り組んでいくことと思います。

でも、もし数えている途中で、声をかけられたりすれば、「時そば」のようにわからなくなってしまうかもしれません。

というわけで、今度は数えたものを、もしくは数えながら10ずつまとめていくことに取り組んでみましょう。そしてそのまとめたものを10、20、30、・・・・と数えることができるようになれば、速くてより正確に数を知ることができます。日本語のありがたさで、十の前に二、三、四・・・・をつけていけばよいので、わかりやすいですね。もっとも子どもはなぜ「いちじゅう」「じゅうじゅう」でなく「じゅう」「ひゃく」となるのかが不思議かもしれません。一緒に不思議がっても良いと思います。


次回 数える!数える!数える! ④は、まとめられた10を別のものに取り替えて10を意味付けを試みます。ではまた来週。